「デザインの現場で求められる力」~北嶋 悠史さん( I科2004卒 )


母校一階のOB・OG展示に出展された北嶋 悠史さん( I科2004卒・株式会社GKグラフフィックス)から、「デザインの現場で求められる力」の寄稿をいただきました。


 
今回、インテリア科OB・OG展示に参加させて頂いた縁で、仕事に関してお話をする機会を頂きました。私は、工芸高校卒業後、美術大学で工業デザインを学び、株式会社GKインダストリアルデザイン/GKグラフィックスにて業務用機器、医療機器、鉄道車両、各種日用品、ロゴマーク、食品パッケージ等、様々なデザインに携わっております。

卒業から早くも20年が経とうとしておりますが、社会に出てから改めて高校時代を思い起こしますと、これだけ充実した環境はないと感じます。設備や授業の内容はもちろんのこと、各種行事、気さくに何でも教えて下さる先生方、そして創造という同じテーマを持った仲間と学べること。確実に今の自分の基礎をつくった3年間でした。

在校生の皆様も各科や時期によって違いはありますが、デザインや創造/表現活動の基礎的な内容をはじめ、より各科の専門的な内容を学んでいると思います。特に私の在籍したインテリア科の専門教科(建築、インテリア、家具など)は、一つの分野の中に様々な要素を内包しているため、総合的な視点や応用力を養うことができ、今の自分につながっていると感じます。

現在私の勤めているようなフリーランスデザイン会社では、ありとあらゆるモノやコトのデザインに携わります。時には想像もしなかったアイテムのデザインや役割をこなすことも…。そのような時も様々な視点から物事を俯瞰し「これは本来どうあるべきか」
と考えることを意識しています。

表現ツール、必要なアウトプット、人間の価値観は時代と共に常に変化します。各専門分野の垣根は低くなり、物事を総合的に俯瞰できる能力がより必要だと感じます。そして、創造/デザイン的な思考は今まで以上に社会の様々なシーンで求められてきています。

今回のOB・OG展示や本記事を通して、工芸高校での学びは様々なかたちで応用できるということが、皆様に伝われば幸いです。