木下凛々さん(2020年I卒)が技能五輪で敢闘賞を受賞
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/zenkoku/
「技能五輪に参加して」
工芸高校卒業後、大学でデザインを学び現在は飛騨職人学舎という2年制の学校で木工を学んでいます。大学では1度木工から離れましたが、工芸での実習で木工の楽しさを知り、再び学びたいという強い思いで学舎への入校を決めました。
朝早くからのランニング、スマホも禁止、年齢もこれまでの人生経験も違う同級生との寮での共同生活。不安もありましたが「木工が好き」という大きな共通点がある仲間の存在は日々の作業や課題に取り組むうえでの励みになっています。
昨年11月に行われた技能五輪全国大会は23歳以下の年齢制限があり、私には最初で最後の出場機会でした。悔いを残す出場にはしたくない、大会までの約2ヶ月半を毎日練習に費やしました。図面や工程も理解できないところからのスタートでしたが、出場経験のある先輩に丁寧に教えてもらいながら繰り返し練習。特に大変だったのは制限時間(11時間)以内に完成させることです。速く美しく仕上げるためには一つ一つの工程を着実に行い、後から修正する時間を減らすこと、常に次の工程を考えること、作業環境を整理することだとの先輩からの教えを念頭に反省点を毎日記録しました。本番1日目では緊張と焦りで、普段のペースより遅れてしまいましたが「絶対完成させる」という気持ちで心を奮い立たせました。慣れない環境とプレッシャーの中で作業することはかなり大変でしたが、メンタルを大きく成長させることができた貴重な経験となりました。
指導してくださった先生や先輩方、支えてくれた保護者、また、お互いに助け合い刺激し合ってきた仲間たち。ここまで指導し、木工の楽しさを知るきっかけをくださった工芸高校の先生方。たくさんの人のおかげで全国の晴れ舞台で目標だった「完成させること」が達成できただけでなく「敢闘賞」という成果まで残すことができました。本当に感謝しています。
今後もより自身の技を磨き、後輩に継いでいけるよう日々精進してまいります。
木下凛々